山中リエ子 編3 マーメイドターン
手加減したのと、コツを覚えたリエ子の動き
がだんだんと良くなったことで、正義がリエ子
から取ったポイントは8ポイントだった。
「七瀬君、負けちゃったらどうしよう」
リエ子が不安そうな声を上げる。
「とにかく外側じゃ勝負にならない、思い切って
内側から勝負するんだ」
「付け焼き刃のアドバイスだな‥‥」
二人に呆れる正義。
「正義君‥‥」
勇が浮かない顔で正義のシャツを引っ張る。
「なんだ‥‥勇もアドバイスしにいくか?」
「いや‥‥チョット気になることがあって‥‥」
「気になる‥‥インサイドのプロの勇が?」
「気のせいかもしれないんだけど‥‥」
「正義、委員長がオニの番だぞ、早くジャン
グルジムに上がれ」
奈緒人が後半戦の始まりを告げる。
「分かったよ。まぁ手加減したとは言え、8ポイ
ントも取ってるし、余裕だろ」
「始めるよ、桧垣君」
リエ子がゆっくりとジムの中に潜り込む。
「あいよ‥‥ットオ!」
遅いはずのリエ子の動きが正義に近づいた
途端、素早くなる。狭いジャングルジムの中を
器用にすり抜け、正義に迫る動きは先程まで
の不慣れな動きではなかった。スルリと内側
に入る動作に無駄がなく、範囲に入るとすぐ
に前面を起こして、タッチのフォームになる。
まるで魚のような素早い攻撃だった。
「早いよ!どうして?」
勇が悲鳴に似た声を上げる。
「近くの公園で、毎日練習してたんだよ」
リエ子の動きに満足そうに頷きながら、奈緒
人が勇に答える。
「じ、じゃあ‥‥ルールブック読んだり、奈緒人
君が初歩的なアドバイスをしてたのは‥‥」
「無論、ワザとだよ。あの馬鹿を油断させるため
のね」
「二人で騙しやがって、卑怯だぞ!」
リエ子の素早いタッチを寸でのところでかわし
ながら抗議する正義。
「あのなぁ、お前の苦情は僕の方にもいっぱい
来てるんだ。クラス委員長、副委員長として当然
の行動だろ」
「それに作戦だもん、卑怯じゃないもん」
鋭いタッチで正義を追い詰める。
「くそぉ‥‥本気だしてやる」
「ターッチ‥‥あっ!」
今度は正義の動きが早くなる、外側の鉄棒を
リズムよく正確に伝い、リエ子の背中側にアッと
言う間に回り込んだ。
「へん‥‥こっちも実力さえだせばこんなモンよ
‥‥なにぃぃぃ!」
後ろに回り込んだはずが、リエ子と向き合う形
になっていた。
「2ポイントね」
ペトンと正義のおなかにタッチする。
「なんだ‥‥どうしたんだ‥‥今の動き」
唖然とする正義。
「クイックターン‥‥」
勇が呟く。
「さすが勇君、一発で分かっちゃったか」
奈緒人が関心する。
「クリトリスターン?」
「クイックターン!水泳の授業で習っただろ」
奈緒人が怒鳴る。
「俺、スクール水着以外興味ないから‥‥」
「正義君、今、委員長が使ったのはプールで
折り返す時に、水中で一回転してターンする
応用だよ。狭いジャングルジムの中で小さく
体を丸め、素早く前転して方向転換、体を伸
ばす時に足で鉄棒を強く蹴って回転の勢いと
プラスさせる‥‥」
「さしずめ出目金ターンだな」
逃げ惑いながら、正義が茶々を入れる。
「マーメイドターンだもん!2ポイント」
リエ子が頬を膨らませながら、正義の腰に
タッチした。
「マジかよ‥‥」
マーメイドターンがあるので後方には回れ
ない、かと言って正面や側面では絶えずタッチ
の危機にさらされるのだ。リエ子は真ん中に
陣取っているので、少し動いただけで正義を
正面に捕らえることが出来る。逆に正義は
ジャングルジムの半径分、余計に動かなけれ
ばならない。かと言って、動き過ぎれば矢のよう
なマーメイドターンの餌食になってしまうのだ。
疲労とプレッシャーに正義の動きは封じ込め
られていった。
「ターッチ!」
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「なんのぉぉぉ」
マーメイドターンの強襲を寸でのところで
かわす。
「ピーッ、委員長2ポイント」
奈緒人が冷たく言い放つ。
「ちゃ、ちゃんとかわしたろう」
文句を言う正義のズボンを奈緒人が指さす
と、パックリと社会の窓が全開になっている。
「委員長の指が引っ掛かったんだ。だからタッチ
と見なす」
「審判っ、厳しすぎるぞ」
「ピーッ、試合開始」
「時間はタップリあるし、私の勝ちね」
余裕の表情で迫ってくる。
「ちっきしょう‥‥‥‥あらっ‥‥‥‥」
リエ子を見るとスカートが大きく捲れている。
体操着ということで気にかけていないブルマー
が露になり、白い素足と幼い太ももが丸見え
になっている。
「ターッチ」
「されてたまるかぁぁぁ」
伸びるリエ子の手をかい潜り、避け続けるが、
勢い余って背後まで回り込んでしまう。素早く
リエ子が必殺のマーメイドターンで正義に迫った
その時‥‥。
「キャーッ!」
悲鳴が起こる。
「どうしたの委員長!」
奈緒人が駆け寄り硬直する。
おチンチン。
タッチしようと手を伸ばした先にそれはあった。
トランクスの前開きを突き破り、リエ子の瞳に
コンニチハをしていた。
「あっ‥‥ああっ‥‥」
リエ子はあまりのショックに言葉が出ない。
「起っちゃった‥‥」
「起っちゃったじゃない!」
奈緒人が怒鳴る。
「あんな可愛いブルマーを見せられたら、普通
は起つだろう」
「起つか!早くしまえっ」
「だって委員長、タッチしてないぜ‥‥チンチン
は胴体じゃないから‥‥ほら1ポイント」
ショックで動けないリエ子の手にチンチンを
擦り付ける。
「‥‥‥‥あ‥‥ああ‥‥‥‥あ」
「ちっちゃなお手々だねぇ、おじさんまた起って
きちゃったよ」
リエ子の手の中でムクムクと更に大きくなる。
「‥‥‥‥キャァァァァァァァァァァァァァァァッ!」
慌ててジャングルジムを降り、昇降口の水飲
み場へと走って行くリエ子。
「落下のペナルティで2ポイント、それにタイム
を取ってないから、試合は続行中、時間内には
帰ってこないだろ‥‥」
楽しそうに正義は呟いた。
「卑怯よ!」
十分ほどたって、手から石鹸の香りを立た
せたリエ子が帰って来た。
「卑怯じゃないもん、作戦だもん」
リエ子の声色を真似る正義。
「‥‥8ポイント対5ポイントで正義の勝ち‥‥」
嫌そうに奈緒人が宣言する。
「うっしゃぁぁぁ!」
奇声を上げて喜ぶ正義。
「七瀬君、あんなの反則でしょ」
リエ子が奈緒人に抗議する。
「反則以前の問題なんだけど‥‥ルールには
確かにない‥‥」
奈緒人が頭を抱える。
「さて、委員長、約束を守ってもらおうかな」
ニヤニヤと笑う正義。
「分かったわよ、脱げばいいんでしょ、脱ぐから
あっち向いててよっ!」
花壇の陰に入り、背を向けるリエ子。
「奈緒人とグルになって騙した罰として俺が
脱がせます」
「な、なに言ってんの、駄目だよそんなの」
「そう、じゃあ、自分で脱いでもらおうかな、
黒パンと白パンを」
「えっ!」
「さっき言ってたよ‥‥黒パンでも白パンでも
脱いであげるわ‥‥って‥‥まさかこれ以上
嘘つかないよね、委員長」
「うーっ‥‥‥‥好きにしなさいよ!」
覚悟を決めて正義に向き直る。
「じゃあ、脱がしやすいようにスカートを自分
でめくってもらおっかな」
「‥‥‥‥くすん」
両手でスカートを捲り上げると紺色のブルマーが
露になる。
「委員長はどんなパンツを履いているのかな」
ブルマーの両端に手を掛け、ゆっくりとずり下げ
ていく。果実の皮のようにペロリと剥くと、紺のポリ
エステルの下から、ピンクと白のチェックのパンティ
ーが甘く覗いた。
「ママぁ‥‥」
恥ずかしさで涙目になるリエ子。スカートを持つ手
が震えている。
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「白パンじゃないんだ、チェックパンツなんだ」
更に下げると丸見えになる。正義の吐く息
が内股をくすぐった。
「そんなとこ‥‥アッ‥‥息吹きかけちゃ‥‥
ンッ‥‥やだ‥‥」
「じゃあ、アンヨを片足ずつ上げて‥‥そうそう
いい子だねぇ」
ブルマーを足から抜き取られると、リエ子が
慌ててスカートを下げる。
「これでいいでしょ」
「へぇぇ、これが委員長のブルマーか‥‥小さくて
可愛いな」
実際、低学年サイズのそれは六年生が履く
ブルマーに比べて小さい。ポリエステル独特の
サラッとした肌触りを楽しみながら、裏側にめくり
返してリエ子の股間を包んでいた辺りをジッと
見つめる。
「変なトコ見ないで」
無視し、指で股間の布地を弄ぶ。
「触んないで、馬鹿っ!」
まるで自分の股間を弄ばれているような慌て振
りでブルマーを取り返そうとするが、正義は顔を
近づけ、股間に残る汗の甘い香りを楽しむ。
「変身、仮面ブルマー!」
おもむろに被り、決めのポーズを取る。
「馬鹿っっっ!阿呆っっっ!あんたなんか死ん
じゃぇっっっ!」
リエ子の怒声が響き渡った。
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