国語 JO作文
 特殊な遊戯具、ジャングルジム。この鉄パイプ
をつたった追いかけっこをジャングルオニと言う。
このジャングルオニが大得意なスケベでエッチで
エロエロの小学生、桧垣正義にクラス委員である
山中リエ子が挑戦を叩きつけた。
 スカート捲りや覗きといった学校内でのあらゆる
スケベ行為の禁止をかけた勝負だったが、リエ子
側の狡猾な作戦と必殺技マーメードターンに追い
詰められてゆく正義。
 だが、ふとした接触で壊れたチャックからプルン
と飛び出した奥の手とドプッと飛び出した奥の手
で、見事、リエ子を打ち倒すのであった‥‥。
リエ子「こんな絵、描くなーっ!!」



veryH 編1 特別授業
「マーメイドターン!」
 鉄パイプを正方形に組み合わせた遊戯具、
ジャングルジムの中を少女が駆ける。
「っとぉぉぉ!」
 ジムの外周を伝っていた少年が少女のタッチ
を間一髪でかわしたところで笛の音が鳴った。
「ピーッ、時間切れ‥‥委員長5ポイント、正義
‥‥6ポイント‥‥正義の勝ち‥‥」
 二人のジャングルジムでの追いかけっこを
審判していた少年はその結果を嫌々に宣言
する。
「あーっ、もうちょっとだったのにー」
 少女が悔しそうに頭を振ると、大きなポニー
テールがフルフルと揺れる。
「ハァハァ‥‥まだ‥‥ハァ‥‥まだだな‥‥
ハァハァ‥‥」
 少女に追われていた少年が髪までビッショリ
と汗に濡らしながら息をつく。
「惜しかったよ。この前よりも動きが良くなって
たし、特訓の成果が出てたね」
 審判をしていた少年、目深にかぶった帽子の
せいで分かりにくかったが悔しそうな表情が
チラリと伺えた。
「ありがとう。七瀬君のおかげよ」
「‥‥ハァハァ‥‥」
「委員長が頑張ったからだよ」
「教え方がいいんだもん」
「‥‥なあ‥‥あのさ‥‥」
「そんなことないって」
「また特訓してね」
「お前ら‥‥」
「時間あるし、今日のおさらいでもしようか」
「無視するなぁ!明日の特別授業、俺も出させ
てもらうからな!」
「あのなぁ、あれは女子の為だけに行われる
授業なんだぞ。身体の仕組みだとか‥‥その
女性としての‥‥現象だとか‥‥勉強するん
であって、男のお前が受けてもしょうがないだ
ろう」
「そうよ、男子は自由時間なんだから、外で
沢山、楽しく遊べばいいでしょ」
「俺は女子の身体の仕組みとか現象を沢山、
楽しく勉強したい!」
「駄目だって言ってるんだ!」
「男子がいると女子が恥ずかしがるのよ」
「約束したじゃないかぁ」
「あれは‥‥授業の内容ぐらいなら教えられる
という意味で‥‥」
「約束ぅ、約束ぅ」
「お前なぁ‥‥」
「私が良くってもクラスの女子が反対するに
決まってるじゃない」
「‥‥へぇ‥‥委員長はいいんだ‥‥」



「あっ‥‥成美ちゃんが奈緒人のこと、さっき
探してたんだ!」
 ランドセルを忘れたリエ子につきあって教室
まで来た時、正義がフイに思い出した。
「成美ちゃんが?」
「鍛治さんなら、さっき帰っ‥‥ムグゥ」
 正義の片手がリエ子の口を塞ぐ。
「なんか大切な話しがあるとか言ってたなぁ
‥‥」
「お前は、どうしてそういうことを忘れるん
だよっ!」
「鍛治さんは帰‥‥ムムグウッ」
 両手で塞ぐ。
「まだ探してるんじゃないかな‥‥いや、探し
てるに違いない!」
「‥‥ちょっと見て来る‥‥校門で待ってて
くれ」
 教室を出る奈緒人。
「ムムムゥゥゥッッッ!」
「さてと‥‥」
 スッと手を放す。
「ちょっとなにするのよっ!だいたい、鍛治
さんなら‥‥」
「帰ったよ。俺も成美ちゃんにバイバイって
言ったもん」
「じゃあ、なんで‥‥」
「特別授業の邪魔になるからねぇ、今日の」
「特別授業‥‥今日?」
「女の子の身体の仕組みとその現象について」
「そんなこと言っても、機材のスライドも資料
のプリントもないわよ」
「なにをおっしゃいます。そのものがあるじゃ
ないですか、山中リエ子さん」
 輝いた瞳でリエ子を見つめる。
「ま、まさか‥‥」
 嫌な予感にあせる。
「頼む、委員長。男子として、いや人間として
どうしても知りたいんだ」
「ダ、ダメに決まってるでしょ!」
「勉強したいんだって、マジで。日頃の覗き
やスカートめくりだって、そういった知識欲
からくる研究活動であって‥‥あー、俺は
ただ女性の身体というものを知りたいだけ
なんだって、クラス委貞長ともあろう人がなん
で理解してくれないかなぁ‥‥」
 失意にうなだれる正義。
「ちょ、ちょっと桧垣君‥‥」
「どーせ、俺みたいな男が純粋な向学心を持っ
たところで、スケベ野郎としか見られてないん
だな‥:傷つくよなぁ‥‥ハァ」
「そんなこと言ったってダメなものは…・」
「友達にさえ、信じてもらえないのか:‥」
 ガックリとへたれこむ。
「‥‥‥‥分かった‥‥わよ」
 今日もまた騙される委員長であった。



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