「あれっ、鍛治さん、今帰り?バレエのお稽古大変だね」
「奈緒人君こそ、荷物一杯で大変そう」
「駅前の新しい電気屋で色々とね、山田商店だと電池と電球くらしかないから
‥‥あっ!」
「だ、大丈夫ですか?この時間、すごく混むんですよ」
「大丈夫、ちょっと足を踏まれただけ‥‥アッ!」
「足、もう少し前に出した方がいいかも、私にぶつかってもいいですよ」
「いや、そうじゃなくて‥‥ァ‥‥」
「どうしたんですか?」
「いや、その‥‥別に‥‥ン」
「気分が悪いんでしたら、運転手さんに言いましょうか?」
「気分が悪くは‥‥ッ‥‥」
「奈緒人君?」
「‥‥誰か‥‥僕のお尻を‥‥ァ‥‥ンンッ」
「えっ!」
「この変態っ!」
 ゴスッ!!
「ンガァァァッッッ!」
「桜雲寺、桜雲寺、バスが止まるまでお席を立たないでください」



「ここで結構、降りるんですよ」
「逃がしたか‥‥」
 ブロロロッ‥‥。
「あれっ、正義君‥‥駅まで行ってたの?」
「勇か‥‥お前は‥‥」
「僕はそこの山田商店まで‥‥ラジコンの電池買いに‥‥って大丈夫?」
「あんなに可愛いお尻があいつのケツだとは‥‥」
「‥‥バスにでも酔ったの?」